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愛しさと切なさと糸井重里

というわけで、糸井重里氏の例のあれについてのお話。
私は昨日、以下のようなTweetをしました。

@phoquesan: 私も何度でも書きますが、この糸井さんの基準は、今まさに踏みにじられつつあるマイノリティの抗議に対して厳しすぎるというか、もっと言えば踏みにじっている側を利するものとなりうるというかなっていることに無自覚だと思う。故に賛同できない。 http://t.co/Boi7lP2php

正直に言えば、糸井さんがこれを言った文脈に限定するならば、私の意見は糸井さんとそれほど異なるわけではないのです。福一の事故における放射能汚染の被害をないことないことヒステリックに言い募る側に与したいとは微塵も思わないし。
(病気抱えてるから普通の人より頻繁にX線撮影とかCTとか撮ってるので、多分被曝量もかなり多い方だと思うけど、鼻血出たことなんてありませんよ。ヘパリンとか使ってるので普通より出血しやすかったり血が止まりにくかったりするはずなのですが)

でも、それを、こういう形で規範として一般化(そういう意図は糸井さんにはないのかも、というか、糸井さん自身はあくまでも個人的な規範として語っているだけだろうとは思うけれど、糸井重里という人のネームバリューというか影響力を考えた場合、一般化された規範と受け取る人は少なからずいると思う)されてしまうと、それを問題なしとはできない、というか、良きものとして受け入れられてしまうことにとても危惧を感じるのです。

広く受け入れられている物事に対して異議を唱えるのは、それだけで勇気と覚悟が必要です。特に日本のような、同質・均質であることが重視される空気においては。それでも異を唱えずにはいられない時、行動を起こすことだけで一杯一杯で、感情的にならずに淡々と事実を積み重ねて説得したり、多くの人に受け入れられるようなスマートな手法を用いたり、ユーモアを交えて語りかけたり、という余力があるとは限らないのです。正義や正論が自分の側にあることを拠り所にしなければならないこともあるかもしれません。特にそれが、切羽詰まった問題に直面していて、追い詰められている場合には。

もちろん、罵倒や誹謗や中傷までをも容認すべき、と言っているのではありません(わたしの敬愛する故・猫が好き♪氏は「テロかテロであるというだけで必ずしも悪であるとは言えない」とかつて語っていましたが、流石に私はそこまでは言えない)。しかし、今現に追い詰められている人の抗議の声を、それが例えば、穏やかな或いはスマートな、受け入れられやすい形のものではないからと言ってはねつけてしまっても良いものなのでしょうか。糸井さんの判断基準を適用すると、そうなってしまうのですが、本当にそれで良いのか、というのが、私の言いたかったことです。

多分こんなにくどくど言わなくても、わかる人にはわかってもらえてる、と思います。200をこえたRTの全部が賛同ではないでしょうが、何割かの人には伝わったかな、と。

だけど中にはやっぱり、「多くの人の賛同を得られるような手法を取らなければダメ」という意見の人も少なからずいらっしゃるわけで。


それに対して私が考えたのは、こんなことです。流石にこれをTweetしたら罵倒されそうで怖くてかけませんでしたが。

「もっと世間に受け入れられやすい方法で主張したら」≒「俺の気にいるような方法で主張しない限りお前の主張になんぞ耳を貸す気は無い」的なね。まあこれは極論ではあるにせよ。

窮鼠が猫を噛もうとした時に、「ネズミくん、君のそのやり方じゃ誰も君の味方はしないよ。もっとみんなが君の味方をしたくなるように愛らしく、ユーモラスにやれないかい?」…ああダメだ例え話が下手すぎる。

でも、スマートな手法だのユーモアを交えた主張方法だのというのは、ある程度余裕のある、つまり強者の道具なのだ(もちろん弱者にもそれらを持つ人はいないわけではないけれども)ということは、意識の片隅にとどめておかないといけない、と思っています。
by quix-que | 2014-05-15 14:48


鶴は千年 亀は万年 シーラカンスは2億年 (c)phoque 1994-2017


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