教育の敗北と、教育の敗北ではないこと

asahi.com :「競争は悪とする教育がニート助長」 中山文科相語る
ゆうべのテレビのニュースで聞いてから、どうにもこうにも気になって仕方のなかったニュースなんですが。

 「競争は悪だ」などという教育をこれっぽっちも受けた記憶のない自分にはどうにもよくわからないのだけれど、ここでいう「『競争は悪だ』としてきた教育」っていうのは、運動会の徒競走で全員横並びでゴールするとか、そういうアレなもののことを指しているのだろうか? そんな教育は「ほんの一部でしか行われていない特異なもの」だからこそ、そういう教育をしている学校や保育園/幼稚園、そういう「間違った『結果平等』」を要求する保護者や教育者を「批判的な話」のネタとしてクローズアップしていたのだと思うのだけど。
 そうでなくて、学校教育現場全般が「競争は悪だ」というような教育をしてきて、それが浸透しているが故に、現実の社会が競争社会であることに直面してそのギャップに耐えられずニート化する、という、本当に文字どおりの意味で言ってるのだとしたら⋯⋯。
なんかこの「中山参与の夫」さんについては、どうも現状認識が非常に片寄っているというか視野狭窄というかオカシイという印象が就任当初からあったのだけれど、なんかもうこれで決定的ですね、大臣たる資質に欠けるというか無能ぶり炸裂、って感じ。
関係ないけど、旦那の方が現時点では高いステータスの筈なのに「○○の旦那」としてしか認識されない可哀相度としては、「千葉すずの旦那」とこの文部科学大臣が双璧だと思う。こんなことで双璧になっても嬉しくないだろうとは思うが。ただこの人の場合、拉致問題で人気を集めた中山参与を表舞台から引き摺り下ろすために大臣にさせられたっぽい雰囲気があるのが一層悲哀を誘うような気がする。

 まず、「競争は悪だ」とする教育が「本当に行われているのかどうか」ということ。学校の成績評価が相対評価から絶対評価に変わったとか、いわゆる業者テストを学校内で実施することが禁止されたりとか、そういうことはあったけれど、それはべつに「競争は悪だ」と教えているわけじゃないと思う。どうもこの「競争は悪だ」というのは既得権を握ってる側の「機会の平等」に対する嫌悪がでっちあげた「ありもしない仮想的」みたいな感じがしてならない。
 つぎに、現実の社会が「競争社会」なのか、ということ。その前に「競争社会」を定義しないといけないような気がするけれど、とりあえずここでは「他より以上の成果を上げることを要求され、それによって評価される」くらいの意味だとして。果たして今の社会って本当に「競争社会」なんですかね。
 実はここのところが一番核心に迫る部分だと思うのだけれど。
 適正な基準で成果を比較/評価され、高い成果をあげたものが高い評価を受けてそれにみあう報賞を受けられるような社会のしくみになっていないから、つまり適正な競争原理が働いていないから、人は「努力しても成果を出しても報われない」現状に希望を見い出すことが出来ず、その無力感に耐えられないってことではないのだろうか、と思うわけです。

 その「競争原理が正常に働いていない」際たるものが「政治の世界」。たとえば日本の国の将来に対して非常に高い志とそれにふさわしい能力を持った人間がいたとして、現状その人が政治家として手腕を発揮できる可能性は、自民党議員の家に生まれる以外には事実上ほとんどない(官僚としての能力と政治家としての手腕というのは本来別モノの筈なので、「キャリア官僚」→「国会議員」のコースは「政治家を志すもの」のとるべき道ではないと思う)。たとえばこれが、ちゃんとした競争原理が働く、本来の意味での「競争社会」であるとしたならば、生まれや育ちによって政治家の道を諦めたり、無力感にうちひしがれたりすることはなくなる筈だと思う。

 つまりね、むしろ問題は、「競争」なんかではなく、「努力すれば報われる」と教育されてきていても、「どんなに努力しても前途はたかが知れている」現実社会への諦め、だと思うわけですよ。で、まさかこれを「『努力すれば報われる』という教育」がよくないとは誰も言わないでしょ、というかまさか言えないでしょ。
 なんでもかんでも「教育のせい」にするのは、政権与党のみなさまはよっぽど日教組が憎いんだと思いますが(私も日教組が正しいと思ってるわけではない)。大臣ともあろうお方がここまでむちゃくちゃな現状認識とグダグダな推論をしているようじゃ、いくら数合わせやらなんやらのためになった大臣とはいえ、あまりに情けない。

 ホント、そういう「能力/適性の評価」と別次元のところで人事がなされることこそが、問題の本質なんだけどね。


 
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by quix-que | 2005-03-06 09:19 | どっちかというと外の話


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